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今話題の木製サッシについて

木製サッシについて

1. 木製サッシとは?

木製サッシとは、窓枠に木材を使用したサッシのことです。一般的にはアルミや樹脂製のサッシが主流ですが、木製サッシは自然素材ならではの温もりや美観、そして優れた性能を持つことから、高級住宅やデザイン性の高い建築に採用されることが増えています。

木製サッシは、国内外のメーカーによって様々な種類が開発されており、伝統的な和風建築からモダンなデザイン住宅まで幅広い用途で使用されています。特に、北欧やドイツなどの寒冷地では、断熱性能の高さから木製サッシが一般的に採用されています。

2. 木製サッシのメリット

木製サッシには、多くのメリットがあります。特に、断熱性や気密性に優れている点が特徴的です。

✅ 高い断熱性能

木材は熱伝導率が低いため、アルミや鉄に比べて外気温の影響を受けにくく、断熱性が非常に高いです。

木材の熱伝導率はアルミの約1200分の1とされており、冬は暖かく、夏は涼しい室内環境を維持できます。

断熱性能の指標である熱貫流率(ua値)は、木曽ヒノキ材を使用した高性能な木製サッシでは0.47W/m²Kとされ、世界最高レベルの断熱性を誇ります。

さらに、トリプルガラスや真空ガラスと組み合わせることで、パッシブハウスレベルの高断熱窓を実現することも可能です。

✅ 結露の防止

木材は断熱性が高いため、室内外の温度差による結露の発生を大幅に抑えます。

特に、複層ガラス(ペアガラスやトリプルガラス)と組み合わせることで、より結露しにくい環境を実現できます。

これにより、カビやダニの発生を抑え、健康的な住環境を保つことができます。

✅ 大開口の窓の実現

木製サッシは強度が高く、4mを超える大きな窓の製作も可能です。

「ヘーベシーベ窓」などの開口の大きなサッシに対応し、開放感のある住宅デザインを実現できます。

木製サッシならではの美しい木目と相まって、リゾートホテルや別荘などでも多く採用されています。

✅ 気密性と防音性の向上

ガスケット(シール材)を全周に装着することで、高い気密性能を発揮します。

精度の高い金具を使用し、開閉時の隙間を最小限に抑えることで、防音性も向上。

複層ガラスを組み合わせることで、外部の騒音を遮断し、静かな室内環境を確保できます。

都市部や幹線道路沿いの住宅でも、高い遮音性が期待できます。

✅ 耐火性

木は燃えやすいと思われがちですが、実は表面に炭化層を形成することで、内部への燃焼進行を遅らせる特性があります。

そのため、鉄やアルミよりも耐火性が高いという研究結果もあります。

また、スプリンクラーや耐火塗料と組み合わせることで、さらに安全性を向上させることが可能です。

✅ 美観と自然の風合い

木製サッシは、木の温もりを活かしたデザインで、インテリアや外観の美しさを向上させます。

特に、和風建築やナチュラルテイストの住宅にマッチします。

また、オーダーメイドで様々な木材(ヒノキ、スギ、オーク、ウォールナットなど)を選択できるため、個性的なデザインを実現できます。

3. 木製サッシのデメリット

一方で、木製サッシには以下のようなデメリットもあります。

❌ 価格が高い

アルミや樹脂サッシに比べて高価であるため、初期投資が大きくなります。

ただし、長期間のエネルギーコスト削減を考えると、経済的なメリットも期待できます。

❌ 定期的なメンテナンスが必要

木材は雨や紫外線に弱く、直射日光や湿気にさらされると劣化するため、定期的な塗装や保護処理が必要です。

特に外部に露出する部分は、3~5年ごとの再塗装が推奨されます。

❌ 重量がある

木製サッシはアルミや樹脂に比べて重量があるため、大型の開閉式窓の場合に注意が必要です。

4. 木製サッシのメンテナンス方法

木製サッシを長持ちさせるためには、適切なメンテナンスが必要です。

🔹 定期的な塗装

木材を紫外線や湿気から守るため、外部に使用する場合は定期的に塗装を施すことが推奨されます。

🔹 ゴミやホコリの除去

窓の周りのホコリやゴミを定期的に取り除くことで、雨水排出用の穴が詰まらないように管理します。

5. まとめ

木製サッシは、断熱性・気密性・防音性・美観性に優れたサッシであり、特に高級住宅やデザイン性の高い建築で採用されることが多くなっています。初期コストは高めですが、長期的な省エネ効果や快適な居住環境を考えると、その価値は十分にあります。

適切なメンテナンスを行うことで、木製サッシは何十年にもわたって美しく機能し続けることができます。

 

こちらは以前の記事になります。詳しくはこちらもご覧ください。

 

文責 監修者 長崎秀人
福岡県の注文住宅専門の設計事務所「長崎材木店一級建築士事務所」の代表。宅建業も営み、業界歴は35年に及び、建築士・宅地建物取引士の資格を持つ。明治30年創業の同社は、設計から施工、不動産取引まで幅広く手掛け、公正なサービス専門性と実績に基づく信頼性の高い情報を提供している。

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