平屋の家を考える
ずいぶんご無沙汰しています。堀井です。
今回は未だに根強い人気の平屋について少し書いてみようと思います。
平屋が人気の理由は様々ありますがお客様からよく聞くのは将来的に歳を取ったときに階段がない方がイイ!というご意見が圧倒的多数だと思います。
実際お客様の多くが、多分7割ぐらいの方が・・・可能であれば平屋がいいなーと言われている感じがしています。
ですが、お客様も平屋の家を建てるのは厳しいかもと感じてらっしゃるのか『可能であれば・・・』が必ずと言っていいほど枕言葉として付いています。
平屋の家を建てるのが難しい理由がまず土地が広くないといけない。4人家族様の平屋の家だと25坪から35坪の家にはなるでしょうから土地の広さは最低70坪はほしいと思います。法規的な制限(建ぺい率)も関係してきますので。。
でその70坪の土地を確保するのが金額的に福岡市近郊では難しいです。とにかく土地が高くなっているからです。
それと皆様も良く聞かれると思いますが同じ面積の家なら平屋のほうが高くなる。その理由も少し書いておきます。
①2階建て総2階30坪のお家
②平屋建て30坪のお家
まず①の2階建ての場合、1階が15坪・2階が15坪 合わせて30坪となるので、家を支える基礎の面積は1階の面積と同じ15坪、
雨から家を守る屋根の面積は2階の面積と同じ15坪となる。
それに対して②の平屋に関しては基礎の面積は30坪必要、当然屋根も30坪必要、、、そうです単純な違いだけ上げると基礎と屋根が倍の広さになるんです。
これが平屋が高くなる最大の要素です。当然2階建てより安くなる部分もありますが、基礎と屋根の金額アップには敵いません。
ずいぶん前置きが長くなりましたが、ご予算的に色々なことがクリアできて、いよいよ平屋の設計を依頼するぞーとなった場合に気をつけてほしいことがあるのでそれをお伝えさせていただきます。
それは光と風をどう取り入れるかです。ちょっと図にしてみます。
まず最初に南北に細長い敷地だと仮定します。
そこに総2階建て約30坪お家、ですので1階の面積は約15坪のお家をおいて
便宜上わかりやすくするために光を円で表していますが、円の中心を家の南側の端に合わせてみます。
結構家全体が光の円の中に入っています。
次に先程のお家が約30坪の総2階だったので平屋で30坪のお家です。
まー当たり前ですけど半分以下ですよね光が入っているのが、
当然、東の光や西の光、北の光も入ってくるのでここでは分かりやすくするためにこのような表現にしています。
東西に長い敷地であれば光に関してはあまり気にしなくていいかもしれませんが、平屋の場合はまず採光がうまく取れるかが設計の難易度をあげます。
こんなときによく使う手法はこんな感じです。
単純に建物を少しずらして凸凹させます。そうすると外周の壁の長さが長くなり南の光を取り入れる場所が増えます。
暗い場所によく天窓(トップライト)をつけた家を見かけますが将来的な雨漏れのリスクを考えると、こんなふうに平面的な手法で改善するほうがおすすめです。この手法の場合、風の入口出口も改善するので一石二鳥です。。。
なーんだ結構簡単に解決するじゃん!と思われるかもしれないんですが、、、、
平屋の家の難しいのがここからで、どうやって屋根をかけるのか、、、外観がどんな家になるのか、、、そのバランスを調整して設計するのが本当に難しいのです。合わせて外周の壁の長さが長くなる分コストも高くなります。。。。。
今日の内容に一発解決の手法はありません。唯一あるとしたら平屋に適した土地を手に入れることぐらいです。
ただこの事をよく覚えておいてください。せっかくやっとの思いで平屋の家を手に入れたのに暗い、風通しが悪いとなってはも~本当に最悪です。
平屋のお家を検討中もしくはプランニング中の方でそのあたりが気になる方は一度ご相談ください。何かいいアドバイスができるかもしれません。
ちょっと長くなりましたが本日は以上です。
堀井
A