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リスペクトがあるかないか


気づけば秋になっていた。唐突である。

お盆くらいから、実家のリフォームに取り掛かることになった。

リビングの床がダメになったので張り替えることに

最初は一部フロアーの張り替えのつもりが、

ここもあそこもといった感じになって今でも続いている。

まずは床の補強、続いてキッチンの撤去、天井の解体、和室の改修。

大元の家は初代が建てて築140年くらい(明治10年)、

そして先代が40年前の昭和の終わりに平屋を新築。

古い家とつなぎ、一つの家となった。

昭和末期に建てられた家は当時、中学生の私の記憶として建築中の思い出がある。

正真正銘の古民家である。

正直、あちこちがたが来ていたり、間取りとして成立しないとこも出てきている。

思い起こすと、改修、減築を繰り返し、

明治、大正、昭和、平成、令和、現在に至るのだが

今回は令和の大改修となった。

 

改修しながら思うのは、その当時のご先祖様の想い。

想いがなされるところに建築はなされる。

代々、要職を務めていた為、とにかくお客さんの多い家でもあったし、お客様を迎える家であった。

昔の家の定石として、一番いいところ東側と南側はお客様のために取っておく。

日常の生活場は二番三番の場所。西日の強く差し込む家であった。

 

今回は、思い切って全ての部屋を使える空間へとリノベーションを施す。

和室は現代風にアップデートを施し北欧モダンをリミックスしていく。

明治に作られた和室は古色美しく、

昭和の終わりのバブル期に作られた和の建築はさすが材木屋、

ふんだんに良質の木材が使われている。

壊すには惜しい。

気密性や断熱性など期待することもなく。思い出を繋いでいくものである。

 

当然、こういった建物には、ビニールクロスの壁や貼りもの新建材で出来た建材などは

ハレーションを起こしてしまい使うことができない。

本物の木、本物の塗り壁、本物の材料でなければ時代の重みに負けてしまう。

 

今回はラワンベニアで壁を仕上げる事とする。

 

明治に塗られた元の土壁とシーンが同じになるところでは

いくら塗り壁と言っても現代の塗り壁では時代の重みに負けてしまう。

そこで完全に素材を変えるという意味でラワンベニアを使いオイルで仕上げることにした。

家人には、ベニアの壁なんて・・・・・・・

しかしながら仕上がりを見ると納得であろう。

 

リフォームのつもりがリノベーションになってしまった。

以前も書いたが、リノベとリフォーム、大きな違いはやはり

その当時の建築にリスペクトがあるかどうかであろう。

昔のいいところは苦心しながらも残していく、

これが総取替やビニールクロスなどによるボロ隠しとなるとリフォームとなる。

 

 

 

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