居心地=デザインの力
1 居心地=デザインの力
国語辞典によると、居心地とは「ある場所にいる時の感じや気持ち。居心」とあり、これはとてもふわっとした、でも何となく分かる言葉。
「なんか、このお店って居心地良いよねー」とか「土間やいろりのある昔の家って居心地良くてほっとするね」などなど。とても抽象的な言葉であるが「つかみきれない何か」を感じさせる言葉。しかし、それを感じるヒトだったり、時には動物であったりと、つまり相手が存在しないと居心地も存在しない。
そのよく掴みきれないけれど確かに存在する「居心地」を建築の中に表現することが私たちの仕事(設計)であると考える。計算では出てこないような人間の生活とか、そこに住まう人の心理と言うものを寸法で表すことなのです。表層のデザイン(何となくカッコイイとか、流行っているからとか)では、長くその場所に存在する建築としては時に安っぽさを感じてしまったり地域の景観を損なってしまったりすることさえある。
建物に必要な要素として耐震性を含め耐久性や健全であることなどは必須事項であるにして、地域の景観になじみ、住む人の心地良さを備えた住まいをつくっていきたい。