平屋についての考察
今日は雨が降っている。我が家の軒は1200程出ているので雨が降っても窓を開け放ち雨の音を聞くことができる。さらには雨樋がないため雨の落ちる景色を眺めることができる。雨音も心地よい。風情があっていいものだ。雨の国ニッポンを堪能している。今は田植えのシーズン田んぼに恵みの雨が注ぎ込まれる。
さて今日の本題。「平屋についての考察」
昔の平屋といえば、農家などの広い敷地など条件に恵まれたお宅に建てられていた。しかしながら現代の平屋では様々な要因から敷地いっぱいに大きな平屋を建てるというよりも、住まい勝手を考えてあえて小さな平屋を立てることが主流になってきた。
プランニングのコツとしては極力廊下を取らず部屋同士を繋げる広がり間取りの設計を意識したり、視線を外に抜くため抜けのあるところに大きな掃き出しを設けて室内と外の景色をつなげることによって開放感を感じられる設計的な工夫が必要。
また深い軒は外壁を雨から守り、真夏の日射をコントロールするパッシブな設計を心がける。軒下空間にアウトドア用のチェアーを出したり雨が降ったとしてもちょっと寛ぐこともできる。半屋外空間によって内と外を曖昧につなげる設計も自然が感じられて心地よい。
軒を深く出した低い平屋なら樋を付けずに屋根から直接雨を落としても外壁への雨掛かりはほとんどないであろう。屋根は低勾配で大胆に軒を1メートルくらい出し、軒先高を2400以下に仕上げると外観も美しく仕上がる。
平屋は割高と言われるが物は考えようの側面もある。コストについていうならば同じ面積の平屋と2階建てを単純に比較すると、確かに基礎や屋根の面積が大きい平屋の方が工事費は割高になる。反面、平屋は軒を十分に出せば雨がかりが少なく、外壁などのメンテナンスも塗装時に足場が不要なため、コストを抑えられるメリットもある。そのうえ2階建てに必要な階段室がないので、床面積が同じでもその分居室にまわせる面積が増える。平屋のため必然的に地震による倒壊のリスクも低い。また将来、子供が巣立つと2階が物置となり使われ無くなったり老後を考えると、使い勝手のいい平屋はロングスパンで考えると割安かもしれない。