我が意を得たり。
先日、鹿児島まで建築家の堀部安嗣さんの設計した建物を見学することとなった。日本でもトップクラスの建築家である。平屋の建物で開かれた空間と閉じられた空間のある建物。堀部さんのエスコート解説付きで彼が話していたのが
「不安定な場所と安定感のある場所の対比。温熱環境40%の半外屋外空間と温熱環境80%の守られた場所の対比が快適性を生む。完全に守られた90%の空間だけだと自然とまじわれず寂しい。」
つまり気候のいい時は半外空間で過ごし、気候が厳しい時は温熱環境的に守られた空間ですごす。こんな暮らし方がいいのではないかという提案なのである。年がら年中、家の中。夏も冬も窓を閉じ切るような行きすぎた、高気密高断熱住宅いかがなものであろう。
ついでに彼の書籍を買って読むと、ある一節にこう記してあった。「自然素材の外壁が生花とするならばサイディングは造花のようなもの。街に生花を生けるように家を作ろう。」我が意を得たり、ニヤリとした。