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イギリス産業革命と大量生産の話でもしてみよう。

産業革命と大量生産の話。

遠い昔の話に思えるかもしれないが、私たちの暮らしは、あの時代の変革の延長線上にある。18世紀から19世紀にかけて、イギリスで始まった産業革命は、社会や経済の仕組みを根底から変え、今の大量生産の基盤を作った。私たちが普段、当たり前のように手にするモノたちは、すべてあの時代の恩恵を受けている。

ということで、産業革命の功績について、少し振り返ってみよう。

■ モノがみんなの手に届くようになった

かつて、服や家具は高価なもので、一部の特権階級だけが手にできるものだった。しかし、産業革命によって工場での大量生産が可能になり、モノの価格は一気に下がった。機械化された紡績工場の登場で布地が大量生産されるようになり、洋服は仕立て屋で作る贅沢品から、誰もが買える既製服へと変わっていった。昔の日本なら、高級仕立ての呉服が、今のユニクロのように手軽に手に入るようになった、そんなイメージだろう。

■ 工場が生まれ、仕事が増えた

産業革命は、新しい仕事をたくさん生み出した。農村にいた人々は都市へ移り、工場労働者として働くようになった。これによって都市は急速に発展し、今の大都市の原型ができた。もちろん、工場での労働環境は過酷だったが、それでも農業しかなかった時代に比べると、新たな生き方の選択肢が生まれたことは確かだった。

■ 技術革新の連鎖

蒸気機関、紡績機、機械式織機……この時代には、次々と画期的な発明が生まれた。生産のスピードと効率は飛躍的に向上し、経済はどんどん加速していった。技術の進歩は新しい産業を生み、さらに発展の波を広げていった。

■ 貴族社会から資本主義へ

産業革命前のイギリスでは、富も権力も貴族が独占していた。しかし、工業化が進むことで「資本」が新たな富の源泉となり、貴族でなくても工場経営や商業で財を成すことが可能になった。新たな富裕層「産業資本家」の誕生で、身分に関係なく成功できる道が開かれたのだ。

■ しかし、光があれば影もある

大量生産の恩恵は大きかったが、その裏側には問題もあった。

■ 環境への負担

工業化が進むにつれ、二酸化炭素の排出量は増え、地球温暖化の大きな原因となった。森林が伐採され、資源が消費されていく。産業革命の進化が、環境問題という形で現代にまで影を落としているのは皮肉な話。

■ 品質とコストの狭間で

大量生産はコストを抑える一方で、品質の低下をもたらすこともある。昔の職人が手間暇をかけて作った家具や道具は、何十年も使えるものだったが、今は安価な大量生産品が主流になり、「使い捨て文化」が根付いてしまった。

■ 過剰生産の落とし穴

需要以上にモノを作りすぎると、結局余ったものは在庫として抱えられ、大量に廃棄される。経済的にも環境的にも、決して健全な状態とは言えない。

■ これからの話

産業革命がもたらしたものは、良い面も悪い面もある。だが、これをどう生かすかは私たち次第である。
住宅においても同じことが言える。

安いからといってすぐに買い換えるのではなく、長く使えるものを選ぶ。環境に配慮した生産や消費を心がける。便利さの裏にある「見えない代償」にも目を向けながら、持続可能な社会のあり方を考えていくべき時代にきているのかもしれない。

さて、そんなことを考えながら、雨の中、オフィスに向かおう。

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