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日南飫肥杉 材木商としてのこだわり 1 (大径木高耐久赤身材)

「日南飫肥杉」 

林業大国  宮崎県、

飫肥地区を中心に江戸初期より生育するブランド杉

飫肥杉と言われるブランド杉で、腐りにくく粘りがある特徴から、かっては造作に好適な木材として長く使われてきた歴史を持つ高品質なブランド杉材です。

江戸時代から明治の終わりまでは、飫肥杉の製材品は甲材と呼ばれ、その高品質から九州・西日本にとどまらずアジアに地域にも輸出されていました。

最近ではJR九州の観光特急の内装や東京オリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の一部にも使用されさらには選手村の建材にも採用されています。

大径の飫肥杉から赤身部分だけを使った木材。

飫肥杉赤身材の無垢の素材力を損なわないように加工された木材

それが、飫肥杉大径木赤身材。選ばれた飫肥杉赤身材の特徴をご紹介します。

国産針葉樹最強の優れた防腐・防蟻性能

飫肥杉赤身材の耐久性能は、ヒノキや米ヒバにも劣らず丸太の断面を見ると内側が赤っぽく、外側が一定の幅で白くなっています。中心の赤っぽい部分を赤身(心材)、外側の白い部分を白太(辺材)と呼びます。どんな木でも心材と辺材はあるのですが、特に飫肥スギは明確な白身赤身で構成され、赤身部分が色差で明確に分かりやすいという特徴があります。

区分特徴といたしましては赤身部分は油分(精油成分)が多く含まれており、その精油成分は木を腐りにくくするだけではなく、各種の害虫(シロアリ、ダニ等)に強く、木の耐久性を高める働きをします。

一般的なスギの精油成分が未乾燥材の状態で1%程度に対して、飫肥杉の精油成分は未乾燥材の状態で2%程度、いかに飫肥杉の精油成分が豊富だということが分かります。飫肥杉の赤身は一般的なスギに比べて精油成分量が豊富で、赤身材を水に浸けると数日で水が赤く染まるほどです。

この様に飫肥杉赤身材の耐久性は明らかに一般的なスギと異なるため、京都大学や宮崎県木材利用技術センター等の大学や試験研究機関で赤身材の各種試験(室内・屋外)を行い、テクニカルデータ等のエビデンスを取得し、その耐久性能を実証しております。

【飫肥スギの調湿性能】

調湿性は非常に高く、湿気の多い時は水分を吸収し、乾燥している時には、吸った分の水分を放出して、室内の湿度が調整され、快適な状態を保ってくれます。

【飫肥杉の空気浄化機能】

飫肥杉は他樹種と比較すると、大気中の有害ガス(オゾンや二酸化室素等)を吸収・吸着して空気を浄化する性質が高いことが証明されています。

針葉樹及び広葉樹で実験したところ、二酸化窒素の浄化能力が最も高いのはスギで、その効果が最も高い部位が赤身の木口(年輪面)であることが分かりました。

大径木に仕立てる歴史的林業地

飫肥杉の産地である宮崎県はスギの生産量が26年連続で日本一。なぜ宮崎県のスギが日本一の生産量を誇れるのか?それは先人の知恵であり、江戸時代から未来のことを考えてずっと植林を続けてきたからです。

特に「飫肥杉」は旧飫肥藩領(宮崎県の南東部、現在の日南市や宮崎市の一部など)で生産され始めたスギで、飫肥地区は1623年(江戸時代初期)から約400年の歴史を持つ歴史的林業地です。

日照時間が長く温暖で湿潤な気候により、生育が早く、年輪幅が広い飫肥杉が育ちます。幹が太いが軽量で強度が高いことから、造船用材としての評価が高く、そのおかげで次第に林業が発展していきました。

飫肥杉に限らず赤身のみから木材を取ろうとすると、大径木、つまりしっかりと成長したスギでなければなりません。スギの性質上、小径木の段階では赤身部分が小さく、大径木になればなるほど赤身の部分の比率が大きくなります。木が育ち、赤身の大径木木材として出荷できるようになるには何十年もかかります。安定的に木材を出荷するにはまとまった量のスギを蓄材していなくてはなりません。

また、スギは産地により特性が異なりますので、ただ大径木という条件を満たしていればよいわけではなく、精油成分が豊富な赤身材としての性能が重要になります。

そこで、私たちは日本全国のスギの中でも高品質・高性能な赤身材を生産可能な産地及び品種として「飫肥杉」に着目したのです。

大径丸太からの特長ある木取り

飫肥杉赤身材の性能は、耐久性が高いとされるヒノキや米ヒバにも劣りません。しかし、赤身のみを使用するには太く育った木が不可欠です。使用されるのは直径30cm以上(大部分は36cm以上)の丸太で、これは計画的な植林によってよく育った太い材を安定供給できる肥杉の強みだと言えます。

赤身部分のみで木材にするには大木に育っているのが必須。

船の材料として(弁甲材)に最適とされた飫肥杉

『日本書紀』神代の巻のスサノオノミコトの説話に「杉および、この両の樹は、もって浮宝(舟)とすべし」とあるように、神様がスギを生みだし、その用途は船に使いなさいと教えています。太古の記録にもあるように、スギは船に使える優れた性質を持ちますが、中でもスギの赤身は軽量で加工がしやすく、耐久性や防水性もあり、防虫性、調湿性能、空気浄化機能なども兼ね備えたとても魅力的な木材です。かの正倉院の宝物もスギの箱に保管されていたとされており、スギの空気浄化機能が宝物の劣化を抑える効果があることを先人は知っていたのかもしれません。

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