King &Queen
先日、フィンランドの建築家アルバアアルト(1898年2月3日生まれ)の映画を見に行った。
(まだギリギリやってるみたい興味ある方はお早めに)
素敵な建築を残した偉人である。
建築を見て回るのが趣味なものでフィンランドまで
彼の自宅や事務所まで行ったことがあるくらい好きな建築家でもある。
世界中の建築を見て回ったが素敵さでいうとトップクラスである。
下の写真は彼の自宅。
100年前の建築には見えない。今でも素敵。
彼の半生と建築、特に人間的要素を主眼に映像は映されていた。
お酒が好きでジョークも好きなかなかの社交家であったようだ。
最初の奥さんのアイノさんを早く亡くされ、次の奥さんのエリッサさん
女性に支えられた人生であった。この二人なんとなくと似た雰囲気。
彼の建築にある有機的で女性的な美しいラインはここから来たのかもしれない。
(余談にはなるがうちのお客様用のグラスは奥さんのアイノアアルトさんの作品。)
映画の中でポロッと出た何気ないアアルトの一言。
「建築はキング、音楽はクイーン。」一番刺さってしまった。
建築も趣味であるが音楽も私の大事な趣味。
ジャズに始まりブルース、ソウル、クラッシック、レゲエ、サルサ、ロックと
音楽というものならなんでも聞くし、レコードコレクションもそれなりにある。
音楽というものは不思議なもので、
音が無くなると消えてしまう空間芸術。建築もある意味空間芸術。
消えてなくなるのだが音楽を流すことで
空間の色や景色や雰囲気を瞬時に変えることができる。
情熱的なサルサは妖艶に紅色に、スリリングなジャズは透明でクリアーなディープブルー
悲しみを押し殺したブルースはアンバーカラー、エネルギッシュなレゲエはイエロー。
荘厳なクラッシックはシルクホワイトと行ったふうに空間にベールをかけてくれる。
一番好きな時間は、自分が作った建築空間に好きな音楽を流して
お気に入りの椅子に座り本を読むこと。至福の時間である。
「建築はキング、音楽はクイーン。」我が家の家訓としたい言葉である。
近況であるが、音楽マニアの40年来の学生時代の先輩が
終の住処であるマンションを手に入れたとのこと。
福岡市内の油山が一望できる最上階、素敵なロケーション。いいなー
そこに、レコード6000枚、CD5000枚を収納できる部屋をリノベーションすることになった。お仕事もそちら系。
膨大なライブラリーに埋もれつつ雄大な山を眺めながら暮らす。余生。
もちろん、設計から施工管理まで私が担当することになる。
リスニングルームとは別に防音室を設けフルボリュームで音楽を聴く。
特にフリージャズはフルボリュームで聞かなければ意味がない。
防音室はスタジオ仕様。
他の部屋はフレスコ仕上げの漆喰で床はもちろん無垢の床で行こうかと思案中。
「友達の家を作るように」というのが我々のブランドコンセプト。
コンセプトそのままの仕事となる。
ちなみに会社のオフィスやモデルハウスの空間に流れている音楽は私のセレクト。
久しぶりにセレクトを新しく作ってみようかなーなどと現在思案中。お楽しみに。